院長の小話

2010年11月20日No.51 緑内障について その4 緑内障と上手に付き合うには

4回目の小話は、緑内障と上手に付き合うために大切なことを書こうと思います。

1.早期発見

ほとんどの緑内障は自覚症状がなく、病気の進行に気が付かないことが多いです。人間ドックで異常を指摘されることもありますが、できれば40歳以上の方で眼科を受診したことのない方は、一度近所の眼科で検査をしてもらうことをおすすめします。早期に発見して、早期に治療すれば、失明までいく可能性は低いと思います。

2.通院を欠かさない

治療はもちろん、経過観察でも通院を欠かさないことが大切です。それは、緑内障という病気の特徴として非可逆的だからです。つまり、いったん進行すると元に戻せないのです。とちゅうで通院をやめてしまい、数年を経て受診した時にはかなり進行していた話は良く聞きます。緑内障は自覚症状がないので、治療の必要性を感じにくいところがありますが、将来に向けての大切な治療ですので、医師の指示を守って受診しましょう。

3.指示通りの点眼を守る

近年の治療薬は、副作用も少なく、有効性の高い薬も多いため、薬だけで良好な眼圧のコントロールが可能になってきました。しかし、正しい点眼方法や回数を守っての有効性ですので、きちんと決められた内容で点眼して最大の効果を得ることが大切です。


4.病気を正しく理解する

緑内障は、程度の幅がとても広い病気です。ほんの少しだけ視野が欠けていますが、日常生活への影響が小さい方もたくさんいます。進行具合も人それぞれです。大切なことは、まず緑内障とはどういう病気かを理解することです。少なくとも慢性の緑内障は、ある日突然、失明することはありません。将来的に必ず視力を失う病気でもありません。治療にはまず点眼を行うこと、定期的な検査が大切なこと、などなど。そして、自分の今の状態と、今までの変化を理解することです。今の状態から、例えば下の方が見にくいので階段を歩く時に気をつけるとか、数年でこの変化なので、大きな変化がなければ今後数年でおそらくこれ位は進むかもしれない、などなど。


5.心配しすぎない

病気を理解して、今の自分の状態をしっかり理解した上で、あまり心配しすぎないことも大切なように思えます。きちんと治療を受けていれば、仮に悪化したとしても最善のコースをたどるはずです。緑内障は治癒することのない病気なので、上手に病気と向き合い、上手に付き合っていくのが大切だと思います。


6.日常生活で気をつけることは

眼圧は血圧やその他の体の状態とは無関係といわれております。緑内障のために、目をあまり使わない方がよいですか?と質問を受けますが、その必要はないと思います。目を使うことと進行は関係ないと考えられます。特に、これをしてはいけないということは「ない」と思います。もちろん、日々の点眼を忘れないことと、眼科の受診をしっかりすることが大切です。5の心配しすぎないのがとても大切で、心配しすぎて強いストレスを感じると、体の他の部分にも負担がかかり良いことはありません。わからないことや、不安なことは主治医に相談するのも大切です。

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