2013年02月20日no.78 シリコーンレンズについて(その3)
前回の小話に続いて、当院で処方可能なシリコーンレンズの中からいくつかについて詳しく説明したいと思います。
4.エアオプティクスEXアクア

日本初のシリコーンレンズとして有名な一ヶ月交換タイプのO2オプティクスの改良版のレンズです。酸素透過性は裸眼時の99%とうたわれており、素材がどれほど酸素を通すかの指標であるDK値が140で最高値です。またレンズの厚みを考慮した指標であるDK/L値も175で同様に最高値となっており、最も酸素を通しやすいシリコーンレンズと言って良いと思います。また、レンズに含まれる水分の割合である含水率も24%で最低値で、これは理屈上最も乾きにくいレンズであることを示しています。さらに、保存液には、涙となじみやすいアクアモイスチャー成分を配合し、つけた瞬間からはずすまで、快適なつけ心地が続くとのことです(装用感には個人差があります)。細かな特徴として、レンズがライトブルーになって視認性が向上し、装脱着やケアがしやすくなりました。
5.エアオプティクスアクア(2week)

エアオプティクスEXアクアは1ヶ月交換のレンズでしたが、このエアオプティクスアクアは2週間交換タイプのレンズです。レンズの表面処理として「プラズマコーティング」を行うことで、乾いた環境でも涙とよくなじみ、レンズを乾燥から守る効果があります。さらに、メイクなどの汚れをしっかり防いで、レンズを清潔な状態にキープすることができるそうです。
6.2ウィークプレミオ

国内のメニコン社のレンズです。酸素透過率(DK/L値)は2週間交換レンズの中では最高の161となっており、酸素を通す能力は十分高いと考えられます。乾きに対しては「新規アミド化合物(快適性能分子)」という物質によって高い吸水性能と水分保持性能を有しており、2週間にわたって乾きを予防する効果があるそうです。
以上、6種類のシリコーンレンズを説明しましたが、どのレンズも性能が高く、甲乙つけがたいというのが私の印象です。シリコーンレンズに限らず、コンタクトレンズは装用する方との相性がとても重要です。ある人にAというレンズがベストでも、他の人にはBというレンズがベストということは良くあることです。また、その方のコンタクトレンズの使用頻度や、使用環境(例えば、パソコン作業を多くするなど)、目の乾き具合などによって、ベストなレンズは変わってくると思います。
結果的には、色々試してみて、自分に一番合うレンズを自分の目で確かめるのが最も大切だと思います。現在のレンズに満足していない場合は、乾きや異物感、充血など困っている点を教えていただき、最も合いそうなレンズを一緒に選んで試してみることで、ベストなレンズを見つけることができると思います。
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