院長の小話

2007年04月12日No.7 スポーツとコンタクトレンズ

旭川で新たに生活を始める方がポツポツお見えになっております。

また、入学式のシーズンですね。母校の旭川東高を思い出します。先日学校の前を通りかかりましたが、昔の思い出が蘇ってきて懐かしい気持ちになりました。

前回も書きましたが、初コンタクトの方が多いです。私もコンタクトレンズをしていますが、始めたのは大学生になった時です。スポーツを始めることになり、北大の先輩の紹介で眼科を受診しました。現在は使い捨てですが、その時は長く使えるタイプのソフトレンズでした。乱視のためハードレンズをしている先輩が1人いましたが、試合中にレンズが外れて落ちることが時々ありました。レンズが落ちると無条件にタイムになります。高価なレンズを踏んで割ってしまってはたいへんですので。みんなで床に伏せてレンズを探します(以外と服に付いている事が多いです)。「ありました!」レンズを見つけると、コートや観客席から拍手が沸き、一時の英雄になれます。


スポーツとコンタクトレンズといえば、最近レッドソックスの松坂大輔投手が、デーゲーム登板の際に目を赤く光らせる“特殊レンズ”を装着して試合をしている記事を見ました。米女子プロゴルファー、ミシェル・ウィーも愛用しているそうです(彼女はgrey-greenという色らしいですが)。

当院では残念ながら扱っていませんが、このレンズはナイキとボシュロムが共同開発したスポーツ用カラーコンタクト「マックスサイト」です。ナイキのホームページでこのレンズを調べてみました。


以下ホームページより抜粋
Without NIKE MAXSIGHT
On the naked eye blue light is focused in the front of the retina, resulting in visual noise (blur) and reduced contrast.
With NIKE MAXSIGHT
The Light Architecture optics of NIKE MAXSIGHT selectively filter light reaching the retina, blocking much of the blue light. Light is focused within a tighter range; visual noise is reduced, and clarity and contrast are enhanced.
Amber
The Amber tint is designed for use in sports where tracking a fast moving ball is critical. Amber selectively filters specific wavelengths in the blue green portion of the visible specctrum, making the ball POP off the background.

予備知識

色によって波長の違いがあり、赤と青(緑)では像を結ぶ位置が違います(色収差)。視力検査で「緑と赤でどちらがはっきり見えますか」と聞かれたことがあると思いますが、緑は前の方、赤は後ろの方で像が結ばれますので、どちらも同じくらいに見えるように調整すると、緑は網膜の前、赤は網膜の後ろで像が結ばれ、この状態が適正な状態です。

上記ホームページの文には「マックスサイトは網膜の前で像を結ぶ青色光(かすみ、視覚ノイズ)をカットして対象物を際立たせる。アンバー(琥珀色)は青や緑の成分をカットし野球やテニスのように動きの速い物体を背景から識別する必要のあるスポーツに向く」と書いてありました。

色が入っているカラーレンズ(いわゆるカラコン)は、真ん中の物を見る部分(瞳孔領)は透明になっているものがほとんどですので、まったく別のものです。残念ながら効果は期待できません。(イリュージョンというレンズは真ん中も色が入っていますが、効果は不明です)

どうやら日本では売っていないようですが、どのような見え方かたいへん気になるのは私だけでしょうか。

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