院長の小話

2009年10月27日No.38 乱視と乱視用コンタクトレンズ(ソフト)について

今回から4回にわたってコンタクトレンズの話題についての説明していこうと思います。
まずはソフトレンズの乱視矯正コンタクトレンズについてです。

そもそも乱視とは?

乱視の説明はとても難しいです。目には角膜という黒目の表面を覆う部分と、水晶体という虫めがねのレンズのような部分があります。これらは光を屈折させる(曲げて集める)役目があるのですが、ゆがみがあるとうまく網膜に集まりません。私たちはそれを「ぼやけ」で体感します。

説明をわかりやすくするために、乱視の中でも角膜乱視について説明すると、黒目の表面がバレーボールのように球形であるのとラグビーボールのようにゆがんでいるのをイメージしたとき、乱視の目はラグビーボールのようにゆがんでおります。

さらに複雑なのは、歪みには方向があり、縦長のラグビーボールなのか、横長のラグビーボールなのか、斜めに置いたようなラグビーボールなのか、ゆがみに方向があります。

そのような乱視ですが、実はめずらしいものではなく、近視の人の4人に一人は同時に乱視もあるとの報告もある位です。軽い乱視を入れると、ほとんどの人にあると言ってよいと思います。しかし、軽いものは矯正の必要がありません。また多くの場合は、乱視が単独であるわけではなく、近視と乱視、遠視と乱視の組み合わせで存在しております。


乱視用コンタクトレンズ(ソフト)

乱視は円柱レンズで矯正します。円柱といっても柱のようなものでもなく、板についたかまぼこでもなく、凹タイプの円柱なので、雨どいやスノーボードのハーフパイプのような形です。一般的な近視や遠視は球面レンズで矯正します。虫眼鏡をイメージしていただくとわかりやすいですが、レンズには向きがありません。レンズを回転させても同じ見え方です。しかし、乱視には向きがあります。もしお手元に乱視の入っためがねがある場合は、ぐるぐる回しながら活字を見ていただくとある向きで少しだけ見え方が変わるのがわかると思います。それがそのめがねに入っている乱視の向きです。

そのような向きのあるレンズで乱視を矯正するわけですが、当然度数もあります。さらに多くの場合、近視や遠視も一緒にありますので、レンズの度数はとても複雑なものになります。

ハーフパイプ:円柱レンズのイメージ


来月の小話で、乱視用コンタクトレンズの特徴について、さらに詳しく説明しようと思います。

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