院長の小話

2009年12月22日No.40 ハードレンズからソフトレンズへ(理由)

ハードレンズからソフトレンズに変更する人を時々みかけます。

3回に渡って、ハードレンズからソフトレンズに変更する方の理由や、利点、問題点について書いていこうと思います。
まず、ソフトレンズへ変更する際に多い理由をいくつかご紹介します。

「運動をするので」

ハードレンズは激しい衝撃で落ちることがありますので、運動をする時などはソフトレンズの方が安心です。私も大学生の頃、ソフトレンズで球技をしていましたが、一度も落ちたことがありません。しかし、ハードレンズをしていた先輩は、よくレンズを落とし、試合を中断させていました。休憩できるのでとてもありがたかったのを思い出します。落ちた場合に、無事見つかればよいですが、外だと見つからないこともありますし、運悪くつぶされて破損して悲惨な姿で見つかることもあります。

「コンタクトレンズをあまり使わなくなったので」

ソフトレンズ

ソフトレンズとハードレンズの大きな違いに使い捨てレンズがあるかないかがあります。月に数回しか使わない場合は、コスト的にも清潔を保つためにも1日使い捨てソフトレンズが最も良いと思います。1日使い捨てレンズの寿命は通常2-3年程度ありますので、海に行く時だけするとか、運動の時だけする、あるいは、結婚式などのイベントの時だけするような使い方も可能です。


「アレルギーが強いので」

アレルギー性の結膜炎が悪化するとまぶたの裏側に乳頭というブツブツができます

ハードレンズには使い捨てレンズがないので、汚れが問題になることがあります。花粉症などが原因で起こるアレルギー性結膜炎は、レンズの汚れで悪化することもありますので、できるだけレンズを汚さずに使うことが大切です。しかしながら、レンズも物ですので、使うことにより劣化して小さな傷がつきますし、汚れも少しずつ蓄積されていきます。そこで、汚れる前に交換する使い捨てレンズの利点が重要になります。それも、できれば1日使い捨てレンズのように毎日新品のレンズを使うのが最も理想的です。花粉症の方は、花粉症の季節だけ1日使い捨てレンズを使い、他の季節はハードレンズを使い分けるのも良い方法だと思います。


「昔は無理と言われたが、最近は乱視用があると聞いたので」

前回の小話で乱視用のソフトコンタクトレンズをご紹介しましたが、昔はあまり種類も少なく実用的ではありませんでした。乱視の軸や乱視の度数が豊富になった現在では、以前に乱視がありソフトレンズだと視力がでなかった方でも最近の乱視用のソフトレンズで視力が出る場合があります。

「充血がひどく、見た目の問題があるので」

ハードレンズ特有の充血です

ハードレンズをしていて、目の乾きがある場合、黒目の横に充血が出やすいです。ひどくなると角膜炎といって黒目の傷も出ることもあります。点眼で乾きを取ったり、レンズの形や種類の変更で充血が治まる場合もありますが、まったく良くならない場合も少なからずあります。そのような場合は、ソフトレンズに交換すると同様の充血は軽快します。

次回の小話では、ハードレンズからソフトレンズに変更する利点を書く予定です。

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