院長の小話

2006年11月01日No.1 めばちこ

まぶたのふちや内側に細菌が感染して起こるもので、医学的には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と言います。

以前勤務していた大阪の病院でのやりとりです。
私「右眼が痛いのは、ものもらいですね」
患者さん「え?、何かもらえるんですか?」
私「ごめんなさい、めばちこですわ」
患者さん「ああ、やっぱりめばちこでっしゃろ、先生、昨日から痛かったんですわ、そやかて、かきいれどきやさかい、店が忙しくて忙しくて・・・・・(続く)・・」

私が以前勤務していた病院では、麦粒腫のことが「めばちこ」と呼ばれておりました。 旭川は「ものもらい、めっぱ」が一般的だと思いますが、調べてみると、全国的に色々な呼び名があるようです。 他には「めんちょ」も北海道では一般的なようです。

「ものもらい」の語源

「三軒の家から米をもらって食べるとなおる」や「よその家へ乞食に行くと、めこじき(ものもらい)が治る」 「これを治すために人からものをもらう」という無薬の治療行為と結びついて生まれたようです。 最近は抗菌薬が発達しておりますから、薬で治療しますが、昔はご飯を食べて自分の免疫力を高めて治していたのでしょうか。ちなみに人から「もらう」(うつされる)ことはありません。

おもしろい呼び名

もらいもの、めいぼ、おきゃくさん(佐賀)、おひめさん(熊本)、おともだち(沖縄)

なかなか友好的ですね。

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