院長の小話

2015年07月20日no.106 おすすめのコンタクトレンズは?(9)

 「どのレンズが一番良いのですか」と診察中に聞かれることが多いことからコンタクトレンズ選びに役立つような情報をお伝えしており、今回は9回目になり、最終回です。ハードレンズに対する質問は大変多いです。前回、ハードレンズのメリットをお伝えしましたが、今回はハードレンズのデメリットをご紹介しようと思います。私の独断と偏見が少し入っている点は、ご了承ください。

ハードレンズのデメリットは?

 まず、ハードレンズのデメリットで一番大きいものは、異物感だと思います。やはり硬いレンズですので、目に入っている感覚は少なからず残ると思います。当院でも、異物感に慣れることができなくて、断念される方を時々みかけます。ソフトレンズでは、そのような異物感はなく、逆に異物感があるようなら、レンズを変更した方が良いと思います。

 二点目は、汚れや傷の問題です。ハードレンズは一般に1年半から2年近く使いますので、個人差はありますが、汚れや傷がついてきます。また、女性の場合はお化粧の油分がレンズのコーティングを傷めることもあり、水をはじくようになったり、レンズが白濁することもあります。使い捨てレンズのように、短期間での交換ができませんので、まずは、眼科で洗浄して、それでも改善しない場合には交換になります。傷が多い場合は、手や指が荒れていることが原因になっていることもあります。

 三点目は、充血の問題です。ハードレンズは、レンズの真横から涙を吸い上げる構造上、黒目の横の白目が乾いてしまい、充血がでてしまいます。私の感覚ですが、4割から半分位の方が程度の差はあれ、充血に悩んでいる印象です。ベースカーブやレンズ径の問題の場合もありますので、まずはレンズの調整を行いますが、それでもダメな場合は、点眼をまめに行ってもらいます。ただし、実際それでも改善しない場合があり、そのような場合は可能であればソフトレンズへの変更をお勧めしております。多くの方でソフトレンズにすると充血が消失またはかなり軽快する印象です。

 他にもデメリットとして考えられるものがありますが、まだ一般的ではないものもありますので、診察の際に質問していただければと思います。

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