院長の小話

2009年04月23日No.32 初コンタクトレンズ、レンズの種類、選び方

旭川の桜の開花予想はゴールデンウィーク頃のようです。

今回は予定を変更してコンタクトレンズについて書こうと思います。遠近両用コンタクトレンズについては次回に書きます。

春ですのでコンタクトレンズを始める方が多いです。

家族や友人の方がレンズを使っていてレンズの知識がある場合もありますが、コンタクトレンズは日々進化しており、種類や利点欠点などとても複雑です。初めての方が、レンズを選ぶ場合は、その方の生活や使う頻度、目の状態によって数種類に絞られ、その中で選ぶことになりますが、迷う場面もあります。

もちろん、眼科で色々なレンズの利点や欠点、もっともよさそうなものなどのアドバイスをさせていただきますが、前もって情報があるとよりスムーズに決めることができるかもしれません。

今回の小話は、レンズの特徴と、あまり語られませんがとても重要なコストについて書いていこうと思います。

コンタクトレンズは大きく分けて硬くて黒目よりも小さいハードレンズと柔らかくて黒目よりも大きいソフトレンズに分かれます。

ハードレンズ

ハードコンタクトレンズ:黒目よりも小さく、硬いレンズです。

ハードレンズの利点は酸素をたくさん通すことと、小さいので動くことにより涙の交換ができる点があげられます。また、細菌などに強いことと、硬さを生かして、軽い黒目の歪み(角膜乱視)を取ることもできます。欠点は、硬いのでゴロゴロしてしまうことや、小さいので動きが気になる場合や、落ちやすい点があげられます。

レンズの寿命は1年半から2年(個人差はあります)が安全に使える期間でレンズの価格は1枚で10000円から20000円です(近隣の販売店価格)。(両眼で1年半から2年で20000円から40000円の計算になります)ケア用品は 毎月1300円位かかります。

レンズ代金も含めた月の費用は2000円から4000円位になります。


ソフトレンズ

ソフトレンズは大きく3種類に分かれます。

一日使い捨てレンズ

1日使い捨てレンズ:最も清潔に使用できるレンズです。

最もおすすめのレンズです。朝つけて、夜にはずして捨ててしまうレンズです。利点は毎日交換するので、常に清潔を保てる点と、洗浄や消毒などのお手入れが不要な点です。花粉症などのアレルギーがある場合には最も負担の小さいレンズになります(もちろんしなくても良いのならしないほうが良いです)。欠点は、若干乾きに弱い点と、度数などの種類が少なめな点と、費用が割高になる点です。

レンズの寿命は1日です。(洗浄しても使えません。感染症などになる危険性があります)
レンズの価格は1箱30枚入り(片眼分)で2000円から3000円位です。
(毎日使う場合は1ヶ月両眼で4000円から6000円位ですが、1週間に1日しか使わない場合は片眼一箱で半年位持ちますので1ヶ月700円から1000円位になります)

ケア用品代がかかりませんので、毎日使うとすると月の費用は4000円から6000円位になります。


2週間~1ヶ月使い捨てレンズ

ソフトコンタクトレンズ:黒目よりも大きく、とても柔らかいレンズです。

私は最もバランスの取れたレンズだと思います。朝つけて夜はずして、洗浄後夜中に消毒をして、次の日も使い、2週間から1ヶ月経過すると捨てるレンズです。利点は、使う期間が短いですので、汚れや傷などが問題になりにくい点と、最近はシリコンという酸素をたくさん通して乾きにくいタイプのレンズがあること、種類も多いので自分に合ったタイプが見つかりやすい点があります。欠点は、一日使い捨てレンズよりは汚れが問題になる点があげられます。

レンズの寿命は2週間か1ヶ月です(使用した日数ではなく、開封してからの期間ですので注意が必要です)。レンズの価格は1箱3か月分(片眼分、2週間は6枚入り、1ヶ月は3枚入り)で2000円から4000円位です。

ケア用品は毎月1200〜1500円位かかりますので、月の費用は概ね2000円から3000円位になります。


普通のソフトレンズ(コンベンショナルレンズ)

最近では、使い捨てレンズの利点が多いため使う方が減っておりますが、利点は特殊な乱視や遠視などの度数の種類が多いことです。しかし、長く使うと汚れやレンズの劣化が問題になりますので、病気の発生率は高い部類に入ります。慎重な使用と、長くとも1年半位での交換が大切です。紛失や破損した場合の被害が大きいのも欠点です。

レンズの寿命は1年から1年半です。(私は1年での交換をおすすめしております)
レンズの価格は1枚10000円から15000円です。
ケア用品は毎月1500〜1800円位かかります。

月の費用は2000円から3000円位となります。


診察代金

診察代金は、コンタクトレンズの患者さんが多い眼科医院と少ない眼科医院で差があります。患者さんが多い医院は安い検査料で、患者さんが少ない医院は高い検査料を算定するようにルールで決められております(診察内容にかかわらず一定です。当院は患者さんが多いので安い検査料です)。3割負担で、概ね400円から1200円位です(薬の処方料も含めた場合)。

注意:今回の小話での価格は近隣の販売店の価格を調べたものです。価格はその販売店によります。特売をしていて安い場合もありますし、逆に高い場合もあります。その点はご了承ください。扱っているレンズの種類も含め、前もって電話等で確認すると良いでしょう。

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